事前学習
北島先生からの挑戦です
心筋脂肪酸代謝シンチグラフィーは、「123I-BMIPP=脂肪酸代謝」「虚血メモリー」「血流・代謝ミスマッチ」を押さえると一気に整理できます。
最初に覚える5点
① 薬剤は 123I-BMIPP。
② 評価対象は 心筋脂肪酸代謝。血流そのものではありません。
③ 安静時心筋の主なエネルギー源は 脂肪酸。虚血では脂肪酸代謝が低下します。
④ 血流が戻ってもBMIPP低下が残ることがあり、これを 虚血メモリー として理解します。
⑤ 201TlCl血流像 と 123I-BMIPP代謝像 のずれを見ると、血流・代謝ミスマッチを評価できます。
1. 検査の目的
- 123I-BMIPPは脂肪酸類似物質で、心筋細胞に取り込まれます。
- 心筋血流を直接みる検査ではなく、心筋細胞の脂肪酸代謝の状態をみる検査です。
- 心筋血流シンチで使う 201TlCl、99mTc-MIBI、99mTc-tetrofosmin とは目的が異なります。
- 123I-MIBGは交感神経機能、99mTc-PYPは心筋壊死、99mTc-MAAは肺血流です。薬剤鑑別は得点源です。
2. 集積原理と代謝
- 安静時の心筋では、主なエネルギー源として脂肪酸が利用されます。
- 脂肪酸はミトコンドリアでβ酸化を受け、ATP産生に使われます。
- BMIPPはβ位にメチル基を持つためβ酸化を受けにくく、心筋細胞内の脂質プールに保持されやすい薬剤です。
- この性質により、投与後の心筋脂肪酸代謝異常をSPECT画像として評価できます。
3. 虚血とBMIPP低下
- 虚血では酸素供給が不足するため、酸素を多く必要とする脂肪酸代謝が低下します。
- 虚血時には脂肪酸代謝からブドウ糖代謝へ移行しやすくなります。
- そのため虚血を受けた心筋では、123I-BMIPPの集積低下または欠損がみられます。
- 血流が回復していても脂肪酸代謝異常が残る場合があり、これを虚血メモリーと呼びます。
- 狭心症、冠攣縮性狭心症、心筋梗塞後、肥大型心筋症などでBMIPP低下が問題になります。
4. 血流・代謝ミスマッチ
- 201TlClは心筋血流、123I-BMIPPは心筋脂肪酸代謝を反映します。
- 血流像では明らかな異常がなく、BMIPP像で低下が残る場合、過去の虚血を反映していることがあります。
- 血流画像とBMIPP画像の異常範囲が一致しない状態を、血流・代謝ミスマッチとして整理します。
- 同時収集ではクロストークに注意します。一方の核種の散乱線などが他方のエネルギーウインドウへ混入し、画像や定量に影響することがあります。
5. 投与量・前処置・撮像
- 123I-BMIPPの一般的な投与量は約111 MBqです。
- 食事で血糖・遊離脂肪酸・インスリン環境が変わるため、2時間以上の絶食を行います。
- 撮像は投与20〜30分後の早期像が基本で、必要に応じて3〜4時間後の後期像を追加します。
- 123Iの主なγ線エネルギーは約159 keVです。
- 心臓SPECTでは近接軌道収集を用いて、できるだけ空間分解能を高めます。
6. ひっかかりやすい整理
- BMIPP=血流ではありません。脂肪酸代謝です。
- MIBG=交感神経機能、PYP=心筋壊死、MIBI/tetrofosmin=心筋血流です。
- BMIPP低下は「現在の血流低下」だけでなく、「過去の虚血による代謝異常」でも起こります。
- 123Iと99mTcはエネルギーが近く、同時収集では分離が難しくなることがあります。
おすすめの進め方
事前学習を読む → 10問で確認 → 間違えた問題を弱点復習 → 最後に全問挑戦、の順が効率的です。